ドッグフードの裏面には、体重あたりの給与量目安が記載されていますよね。
一覧表があっても、すべての体重を網羅して表記しているわけではなくて、ある程度幅のある体重でしか記載がありません。
「5kgで100gだったら、うちの子は6.2kgだから・・・えっと・・・」と計算しなくてはいけません。
少し面倒ですね^^
ここで少し疑問がわきませんか?
どのわんちゃんも、「体重だけで」ドッグフードの量を一律に計算してしまっていいのでしょうか?
成長期の子、成犬、老犬、体重が同じだったら、すべて同じ量のドッグフードを与えていいのでしょうか?
例えば人間でいうと、10代の運動部で頑張る娘と、40代の普段は運動をしない母親がいて、体重は全く同じ。
二人が同じカロリーの食べ物を食べ続けるとどうなるでしょうか?
きっと、お母様の方はぶくぶくと太っていくことでしょう。
犬にも同じことが言えます。
それぞれの年齢や環境に合わせてエネルギー摂取量(カロリー摂取量)を考えていかなくてはいけません。
年齢・環境、様々な要因でドッグフードの給与量は変わる!
人間と同様、わんちゃんも年齢や環境等によって、必要なカロリーは異なります。
若ければカロリーの代謝量が多いので、必要なカロリーが多くなり、成長期であればなおさらです。
授乳期だったり、する場合も同じですね。
逆に、年をとれば代謝量は減りますし、病気の後安静にしなくてはいけなくて1日中ゲージにいないといけない時なども代謝量は減ります。
代謝量が違うということは、要求されるエネルギーも異なります。
このそれぞれの年齢や環境が考慮された上で計算された、1日に必要なエネルギー要求量のことを「DER」と言います。
このDERの計算ツールを用意していますので、ぜひ、あなたのわんちゃんのDERを計算してみてください。
手作りでは分かり難い、食べ物に含まれる総エネルギーと代謝エネルギーの関係
愛するわんちゃんに、手作りのごはんを食べさせてあげたくなることってありませんか?
筆者は、3匹のわんちゃんと一緒に暮らしていましたが、ゆでた野菜やお肉をかわいくカラフルに飾って食事と出すことに憧れがありました。
なんだか、愛情たっぷりにわんちゃんと暮らしているような気になって、「野菜を与えている自分」に少しうきうきしたりもしました。
犬の栄養学を学んだ今となっては、ちょっと微妙な気持ちになってしまいます^^
いろいろな栄養のことを考えると、やはり総合栄養食と呼ばれるドッグフードを個体に合わせた量を食べさせてあげることが何よりもの愛情だったと今ならわかります。
こう思った一つの理由には、食品には「総エネルギー」と「代謝エネルギー」があるからです。
「総エネルギー」は、その食品が持つエネルギーの総量、カロリーの総量です。
「代謝エネルギー」は、便や尿などで排泄されるエネルギーを引いた、身体が利用できるエネルギーです。
食べた食べ物全てがエネルギーになるわけではないんですね。
総エネルギーで計算した量の食事では、代謝されない排泄分が考慮されていないので、エネルギーが不足してしまうことになりかねません。
逆に、ドッグフードに加えてカロリー計算していない手作りのものを加えることで、カロリー過多となってしまっている場合もあります。
市販されているドッグフードのパッケージには、「代謝エネルギー計算値」が書かれており、排泄される分をきちんと引いた量が記載されています。
ドッグフードのパッケージに書かれている量を、個体に合わせて調整することで、必要なカロリーはきちんと採れるようになっているんですね。
ドッグフードに加えて何かを与える場合は、その分、ドッグフードの量を調整するなどの必要があります。
具体的なドッグフードの給与量を計算してみよう!
ドッグフードの給与量を計算する際に必要なのは、
- DER(年齢や環境が考慮された1日のエネルギー要求量)
- ドッグフードの代謝エネルギー
です。
DERは、年齢や環境が考慮された、1日のエネルギー要求量です。
代謝エネルギーは、食べ物のもつ総エネルギー(カロリー)から、排泄分を引いた、身体で消費されるエネルギー(カロリー)です。
各ドッグフードの代謝エネルギーは、100gあたりの量として、パッケージの裏面に記載されています。
「代謝エネルギー」だったり「ME」と記載されています。
※「ME」は「Metabolizable Energy」の略です。
この数値を用いることで、ドッグフードの給与量を計算することができます。
ドッグフードの給与量ツールを使ってみてください
ドッグフードのパッケージに記載されている、代謝エネルギーから、ドッグフードの給与量を計算してみましょう!
あなたのわんちゃんの1日の摂取カロリー目安をチェック!
kcal/100g
体重 kg
わんちゃんの条件を選択してください。
※ドッグフードの代謝エネルギーと1日あたりのエネルギー量(DER)を元に給与量を計算しています。
※健康状態、生活状況により異なりますのであくまでも目安としてご利用ください。
ここで知った給与量が全てではありません。
大切なのは、ワンちゃんの体重が増えていないか、減っていないか、わんちゃんは満足しているか、そうでないか。
何よりも大切なのは、飼い主であるあなたが、わんちゃんの状態をよく観察し、快適な食生活が送れるように配慮することです。
数字的なものは、あくまでも「目安」ととらえ、ワンちゃんの食生活や栄養を考えてあげてください。
給与量を知ることでわかること
ドッグフードの給与量を知ることで、あなたの大切なわんちゃんに合ったドッグフードを量の観点から探すことができるようになります。
例えば、体が小さく、たくさん食べられない子には、少量でもDER(1日に必要なカロリー要求量)を満たせるものを選んであげられるようになります。
少し肥満傾向にあり、たくさん食べる子には量がたくさんでもカロリーは低いものを選んであげられるようになります。
現在与えているドッグフードの給与量を知ることはもちろんのこと、ドッグフードを選ぶ際にも活用できるようになるんですね。
幼犬用のドッグフード、ダイエット用ドッグフードなどに分かれているのはこういった給与量に対するカロリーも関係しています。
ドッグフードにはたくさんの選択肢があり、どれを選んだらいいのかとてもとても悩ましいです。
愛情が深ければ深いほど、その悩みも深いのです。
わんちゃんもあなたも満足のいくドッグフードが選べるように願っています。