ドッグフードには、大きく分けて4つの種類(タイプ)があります。
それぞれの特徴と、違い、また開封前・開封後の品質保持期間の比較を掲載しています。
ドッグフードのタイプは、「ドライ」「ソフト」「ウェット」「セミモイスト」の4つ
水分量の違いによって、ドッグフードは以下の4つに分類されています。
「ドライ」タイプのドッグフード
製品の水分量が10%程度以下のものがドライフードです。
加熱発泡処理された固形状のものがほとんどで、触ると固く、わんちゃんが噛むと「カリカリ」と音がするような硬さのものです。
顎を強くするためだったり、歯を丈夫にし、虫歯を予防するために、獣医師産やトリマーさんから固めのドッグフードを勧められることがありますが、こういったときは、このドライタイプのものを指してします。
よく、ドライフードの場合は歯石が付きにくいという指導を受けることがありますが、アメリカの疫学研究発表によると誤解とのこと。
水分含有量が13%以上あると、カビが生えるというリスクがあるため、水分含有量10%以下となっており、保存がしやすく、扱いやすいのが特徴です。
ドライフードはこんなドッグフード
- 加熱発泡処理された固形状
- 水分量10%以下のもの
- 開封後も保存しやすい
- 触ると硬い。カリカリとしたもの
「ソフトドライ」タイプのドッグフード
ソフトドライフードは、しばしば「半生フード」と呼ばれます。パッケージにも「半生」と描かれていることが多いですよね
。
製品の水分量が25~35%のもので、加熱発泡処理されたものがソフトドライタイプのドッグフードです。
発泡処理で気泡を入れいるので、つまむとふにふにとして、柔らかい感触がします。
上記ドライタイプと同様の製造行程で製造され、しっとりさを保つために湿潤調整剤が使用され、水分量がドライタイプより多いものであり、柔らかいのが「ソフトドライ」タイプのドッグフードになります。
水分量が多い分、開封後のカビが心配されます。
包装はバリアの高い材質を使用し、脱酸素剤を使用することが多いため、未開封時は安定していると思われますが、開封後はカビが生えていないかなど、保存に気をつけましょう。
ソフトドライフードはこんなドッグフード
- 発泡処理された固形状だがつまむと緩やかに変形する硬さ
- 水分量25~35%のもの
- 水分量が多く開封後の保存には注意が必要
- 触ると柔らかい。ふわふわとしたもの
「セミモイスト」タイプのドッグフード
こちらもソフトドライタイプと同じく、「半生フード」と表現されるので、違いが少しわかりにくいです。
製品の水分量が25~35%のもので、フードで、押し出し機などで製造され、発泡していないものです。
ソフトドライタイプは加熱発泡処理によって気泡を入れ膨らませていますが、セミモイストフードは無発泡なので、ソフトドライタイプの「ふわふわ」というよりかはイメージとしては粘土のような硬さが近いかと思います。
発泡させず成型するだけで、乾燥させずに冷却のみを行い、しっとりさを保つために湿潤調整剤を使用します。
老犬になり、歯が抜け落ち、ドライフードでは噛まずに飲み込んで戻してしまうことがよくある場合などは、セミモイストタイプのドッグフードがお勧めです。
水分量が多い分、開封後のカビが心配されます。
包装はバリアの高い材質を使用し、脱酸素剤を使用することが多いため、未開封時は安定していると思われますが、開封後はカビが生えていないかなど、保存に気をつけましょう。
また、こういった特徴から、保存料などの添加物が一番多くなってしまうのがセミモイストタイプのドッグフードです。
セミモイストフードはこんなドッグフード
- 無発泡で粘土の高い固形状
- 水分量25~35%のもの
- 水分量が多く開封後の保存には注意が必要
- しっとりさを保つために保潤調整剤が添加される
- どのタイプのドッグフードよりも添加物が多くなる傾向にある
「ウェット」タイプのドッグフード
水分75%程度で、品質保持のために殺菌工程を経て、缶詰や、アルミトレー、レトルトパウチで販売されるタイプのドッグフード。
かさばるので、最近はレトルトパウチが人気のようです。
水分量が多く、開封後はすぐに消費するなど気を使いますが、長期保存には最も適したドッグフードです。
缶詰タイプは災害時用の保存にも向いています。
ウェットタイプはカロリーベースで見た時のコストパフォーマンスがあまり良くないのが難点ですが、お肉だけのもの、お野菜も入っているものなど、わんちゃんは大喜びしてくれます。
一度ウェットタイプを与えると、ドライフードを食べてくれなくなった・・という話を耳にするほど、わんちゃんはウェットタイプのフードが大好きです。
コストパフォーマンスを少しだけ改善するために、ウェットタイプとドライフード(またはソフト・モイスト)タイプのものと混ぜて食べさせるといった工夫をしながら利用されている方が多いです。
ドライフードを食べているときに比べてお水をあまり飲まないので心配になりますが、これはウェットタイプのドッグフードに水分がたくさん含まれているためで、全く飲まないといったことがない限り異常ではないので心配無用です。
セミモイストフードはこんなドッグフード
- 水分を多く含む
- 水分量75%程度のもの
- 嗜好性が高い
- 未開封の場合長期保存が可能
- 開封後は長期保存不可
- コストパフォーマンスが悪い
それぞれのタイプの保存期間
それぞれのタイプの保存期間を「開封前」と「開封後」について見ていきます。
「開封前」の品質保持期間の長さ
ドッグフードの開封前の品質保持期間の順番は、長持ちするものから順番に下記のようになります。
- ウェット(缶詰)
- ウェット(アルミトレー・レトルトパウチ)
- ドライ
- セミモイスト・ソフトドライ
やはり、ウェットタイプの缶詰が一番長く保存できますね。次にドライタイプかな?と思われがちですが、缶詰と同じくウェットタイプの、アルミトレー・レトルトパウチのが2番目に長くなっています。
ウェットタイプはカロリーベースで見た時のコストパフォーマンスが良くありませんので、このあたりの解消ができたら最高ですね。
「開封後」の品質保持期間の長さ
ドッグフードの開封後の品質保持期間の順番は、長持ちするものから順番に下記のようになります。
- ドライ
- セミモイスト・ソフトドライ
- ウェット(缶詰・アルミトレー・レトルトパウチ)
一度開封してしまうと弱いのが、ウェットタイプのドッグフードです。
開封後は、ドライフードがやはり最強になります。
4タイプのフードを見てみましたが、それぞれの特徴をまとめると以下の表のようになります。
ドライ | セミモイスト・ソフト | ウェット (アルミ・パウチ) |
ウェット (缶詰) |
|
---|---|---|---|---|
水分量 | 10%以下 | 25~35% | 水分75%程度 | |
保存料添加 | 多い | 少ない | ||
保存期間(開封前) | 短い | 長い | ||
保存期間(開封後) | 長い | 短い |
あなたのライフワークに合わせつつ、それぞれのドッグフードの特徴を生かして、わんちゃんの好みに合わせながらドッグフードの選択をしましょう。